Galatea

“形而上概念を偶像化する為のリチュアル”より

二次創作(法的には一次創作)チュートリアルの為のイマジナリーアイドル™︎プロジェクト

2024.11.23 始動

イマジナリーアイドル™︎”ガラテイア-Galatea-“はスカノストーによるインストラクションアート作品”形而上概念を偶像化する為のリチュアル”からインスピレーションされた概念上のみに存在する架空のアイドルグループです.

メンバーはアラン・スミ・シーというトリオで,それぞれテーマカラー/象徴する職業/誕生日/キャッチコピーを持ちます.

ファンの総称は2通りあり,”クリエイター”はイマジナリーアイドル™︎をイラスト制作や作曲などの創作行為によってアイドルを偶像化するファンを指し,”フォロワー”は創作行為を行わないファンを指します.

形而上概念を偶像化する為のリチュアル

【必読】イマジナリーアイドルプロジェクト 二次創作ガイドライン

2024年11月23日制定
株式会社idola
スカノストー

この二次創作ガイドラインは、スカノストーのアートプロジェクト「イマジナリーアイドル」にご参加いただくに際してご理解、ご同意いただく必要がある基本的なルールをまとめたものです。二次創作ガイドラインにご同意の上でイマジナリーアイドルにご参加ください。

序文

私、スカノストーは全ての表現を愛し慈しみ敬い、アイドルと創造(想像)は心の拠り所として存在するものだと考えます。

このプロジェクトに関わってくださる皆様とも同じように表現を尊重し合い、表現の歓びを分かち合えましたら幸いです。

ときに解釈や趣味思想等によって、お互いが相入れないこともあるかもしれません。

常に他者の存在と配慮をどうかお心がけください。軋轢が想定されうる場合はゾーニング等の配慮をお願いいたします。諍いを生むような言動は何卒お避けください。

意見の相違は対立ではなく新たな学びを得るキッカケとして展開されるような世界を望みます。

クリエイターによって生み出されたアイドルやアイドルの設定、その周辺の創作物をファン同士が呼応し既存設定を当てはめたり、新たな設定を生み出したりして、創造と共に広がっていくことを期待しています。

二次創作の範囲

  • “形而上概念を偶像化するためのリチュアル(以下「イマジナリーアイドル」といいます。)”の概念を公式設定として、これを原作(一次創作)として取り扱い、これは形而上にしか存在しないものと定義しています。
  • このガイドラインでは、イマジナリーアイドルの公式設定からインスピレーションを得た創作物のすべてを「二次創作」と表現しています。つまり、イマジナリーアイドルの公式設定を一次創作として、クリエイターが表現物を創作する行為はもちろん、また、クリエイターによる二次創作物を元にして他のクリエイターが表現物を創作する行為も「二次創作」に含みます。
  • 二次創作の対象になる表現物に制限はありません。例えば、公式設定からクリエイターによって偶像化されたキャラクターデザイン、イラスト、小説、コスプレ、ドラマ、アニメ、アイテム、ルール、コント、芝居、映画、FA(Fun Art)、SS(Side Story)、nr(なりきり)、楽曲、衣装、ダンス振付、ライブパフォーマンス、シナリオ、漫画、概念デザインなど万物の創作物を含みます。

二次創作に必要な設定

  • 公式設定から新たに生み出す(偶像化する)アイドルには名前/誕生日/キャッチコピー(キャプション)/イメージカラー/職業を設定してください。これによって概念だけであったアイドルに自我と魂が吹き込まれることになります。なお、その全設定を公表するか非公表にするかはクリエイターの判断に委ねます。
  • イラスト等の視覚表現(作詞作曲などではないアイドル自体の偶像化)の場合にはエンブレムをどこかに必ず取り入れることをお願いしています。エンブレムは変身アイテムとして設定されており、エンブレムに祈りを捧げることによってアイドルは形而上の概念から偶像化されるからです。詳細は、このガイドラインの「クレジット表記」の項目をご参照ください。
  • このプロジェクトから創造されるアイドルたちは全てイマジナリーアイドルのグループに所属するアイドルと設定されますが、入退所は自由です。
  • 創作するアイドルの年齢性別種別(人外等を含みます。)、ソロやグループなどの形態は全てクリエイターが自由に設定することができます。

二次創作の際の禁止事項

  • 公序良俗と品位を守った解釈と創作を行ってください。
  • 明らかな悪意や攻撃的な意図を感じられる創作は禁止されます。
  • 第三者の著作権、肖像権、パブリシティ権、その他の権利侵害になる創作は禁止されます。
  • 特定の思想・信条や宗教的、政治的な内容を含む創作はお控えください。
  • 公式設定をベースとして様々な解釈があり得ます。他のクリエイターの創作に解釈の違いがあっても尊重してください。
  • AIを使用することは可能です。ただし、他のクリエイターが二次創作したキャラクターをAIに学習させて生成することは不可とします。

権利関係

  • 二次創作物の著作権は、クリエイターに帰属します。
  • クリエイターが創作した二次創作物は、他のクリエイターによる創作のインスピレーションとされる可能性があり、素材化されることがあります。つまり、クリエイターが創作した二次創作物をベースとして、他のクリエイターが表現物を創作する行為に関しては許諾していただくことになります。
  • 「イマジナリーアイドル」は、2025年4月現在商標登録手続中です。しかし、これは利益独占のための取得ではなく作品をガードするための行為であり、むやみに濫用はせずイマジナリーアイドルという概念そのものをクリエイターの共有財産とするための商標とします。イマジナリーアイドルは二次創作における表現の自由をお約束いたします。

クレジット表記

  • 以下で指定するクレジット表記を「イマジナリーアイドル・クレジット」といいます。
  • イラスト等の視覚表現の場合:クリエイターが創作した表現物には【「イマジナリーアイドル」のロゴ・エンブレム/ワード「イマジナリーアイドル」/SNSのID表記のようにクリエイターの情報(創作者を特定する情報)】を表記してください。表記の方法はクリエイターの選択によります。例えば、キャラクターの衣装内にエンブレムをデザインとして取り入れるような方法で表記することも可能です。
  • 視覚表現以外の場合:クリエイターが創作した表現物には【「ワード「イマジナリーアイドル」/SNSのID表記のようにクリエイターの情報(創作者を特定する情報)】を表記してください。表記の方法はクリエイターの選択によります。
  • 視覚表現、それ以外の表現に共通する事項:他のクリエイターによる二次創作をインスピレーションとして創作を行う場合、イマジナリーアイドル・クレジットの他、インスピレーション元のクリエイターの希望するクレジットがある場合、そのクレジット表記をしてください。アイデアには著作権が存在せず、発想とはときに共時性的に共鳴するものであることに留意してください。

ファンの呼称

  • イマジナリーアイドルの二次創作者を「クリエイター」、イマジナリーアイドルから生まれた二次創作物を楽しむ方で、創作行為をしないファンを「フォロワー」と呼称します。

二次創作物の利用

  • クリエイターは、自身の二次創作のインスピレーションとして他のクリエイターが創作した二次創作物を利用することができます。また、ご自身で楽しむための利用、二次創作物をオンライン又はオフラインで拡散するための利用ができます。
  • フォロワーは、ご自身で楽しむための利用、二次創作物をオンライン又はオフラインで拡散するための利用ができます。

商用利用

  • 他のクリエイターが創作した二次創作物に何ら創作行為を加えずにグッズ化したり、データを販売したり、その他商用利用したりする行為は、禁止とします。
  • 商用利用禁止の例外として、二次創作物を事業ではなく、個人の趣味の範囲で、コミケのように小規模で販売することは可能とします(オンライン販売は不可とします。)。

イマジナリーアイドル「ガラテイア」

  • イマジナリーアイドルプロジェクトが直接依頼したファブリケーターはあくまでクリエイターの立ち位置となるので非公式ですが、極めて公式に近い存在としています。ファブリケーターとは二次創作に関して契約書を締結していますので、二次創作のインスピレーションとして、またはシンプルにアイドルとして、このガイドラインに沿ってお楽しみください。
  • ファブリケーターにはこのプロジェクトにおける二次創作について、自身の表現が他のクリエイターのインスピレーションとなることを理解の上で参加していただいています。もっとも、ファブリケーターと創作物(表現)へのリスペクトは保ってください。風刺批判的な意味を含むパロディや安易な(意義のない)アプロプリエーションはお控えください。また、ファブリケーターによる創作物をAI学習させることによる生成も他の表現と同じく禁止です。
  • イラストにオリジナルの線画に色付け(塗り絵)を加えたり、イラストのデザインから着想した新たなイラストの創作をしたりすることができます。もっとも、トレース作品などの公表はお控えください(習作としての私的使用目的の利用は可能です。)。楽曲をサンプリングしたり、新しい歌詞を創造したり、また、歌詞や台詞をそのまま又は一部流用して新たな作曲を行ったりすることはイマジナリーアイドルにおける二次創作として可能です。ダンス振付の一部流用(切り抜き)や改竄(踊りやすく難易度を振付の下げるなど)も可能ですし、振付を元に新たに曲を創作することも歓迎します。インスピレーションの元となったファブリケーターに関しては、敬意として可能な限り作品内やキャプション(ステイトメント)にて指定のクレジットをご記載ください。

以上


「イマジナリーアイドル」:スカノストーが生み出すズレと揺らぎ

                                                                         木村剛大

スカノストーのアートプロジェクト「イマジナリーアイドル」は、実にコンセプチュアルな試みである。

アーティストの提示する公式設定(概念枠組み)

まず、アーティストは、このプロジェクトの出発点として、イマジナリーアイドルの公式設定(基本的な概念枠組み)を提示する。この公式設定に従って、プロジェクトに参加するクリエイターは、偶像化するアイドルに名前、誕生日、象徴する職業、テーマカラー、キャッチコピーをつけることを求められる。

このプロジェクトでは、公式設定としての概念枠組みをスカノストーによる一次創作、原作として位置付ける。一次創作をインスピレーションとする二次創作以降については、一定のルールが「イマジナリーアイドル二次創作ガイドライン」として設けられるものの、基本的に創作内容に関してはプロジェクトに参加するクリエイターの解釈と選択に委ねられる。

クリエイターによる二次創作の範囲として想定される表現は、イラスト、楽曲、ダンス、小説から衣装、nr(なりきり)に至るまで制限を設けず、領域は曖昧であり、横断的である。クリエイターによる二次創作はどこまでも広がりうるようにルール設計されている。

また、イマジナリーアイドルとしての偶像化の対象は、年齢、性別を問わないことに加えて、必ずしも人に限られずに人外にも及ぶ。ここにはアニミシズム的な思想も感じられる。

一次創作と二次創作のズレ

すでに述べたように、アーティストが提示するのは公式設定と二次創作に関する一定のルールである。(弁護士としての)リーガルの視線で見れば、これはいわば抽象的なアイデア(公式設定からは多様な表現が生まれる解釈の空白領域があり、著作権による独占には馴染まない。)であって、クリエイターによる二次創作こそが具体的な表現に当たる一次創作、つまり、著作権が発生する創作行為に当たる。

しかし、現代美術における創作行為と著作権法における創作行為は必ずしも一致しない。ここには著作権法の考え方とのズレが確かに存在するし、アーティストもそのズレに自覚的である。特に、コンセプチュアルアートでは、アーティストにとって核心的な創作行為(コンセプト)であっても、著作権法では創作行為と評価されないことがありうる。

創作に対するリスペクトの共有

イマジナリーアイドル(アートプロジェクト)としての外延は、二次創作ガイドラインで規定されるクレジットによって画される。イラストのような視覚表現の場合、クリエイターは公式エンブレムをイラストに組み入れてクレジット表記することもできる。クレジットは、アートプロジェクトの外延であるとともに、アーティストの作家性を維持するために機能する。

クリエイターが生み出した二次創作は、他のクリエイターの創作のインスピレーションになりうることが二次創作ガイドラインで明示されている。二次創作は、自らの作品になり、同時に他者の素材にもなる。素材とされるクリエイターは指定するクレジット表記を他のクリエイターに求めることができる。クリエイターの創作に対するリスペクトを共有するための仕組みである。

「ガラテイア」の登場

イマジナリーアイドルの第一弾として登場したのは「ガラテイア」だ。アラン(3月14日生まれ、専業主婦、テーマカラー赤)、スミ(5月10日生まれ、芸術家、テーマカラー緑)、シー(2月8日生まれ、投資家、テーマカラー青)の3人組みユニットである。イラスト、楽曲「Good job」とダンスの動画が公開されている。これらも各クリエイターの二次創作によるが、アーティスト自らも一定の関与をしたものであり、イマジナリーアイドルのチュートリアルとも言えるだろう。

ガラテイアは、2次元のイラストで具現化されているとともに、ダンス動画では3次元の生身のダンサーが実演している。このように、ガラテイアは概念としてのアイドルでり、それを具現化する創作は2次元のキャラクターと生身の人間が混在しうる。

ガラテイアをインスピレーションとした二次創作も当然ながら可能である。

「厳密なコントロール」ではなく「緩やかなガイダンス」

イマジナリーアイドルでは、アーティストの関与は、「厳密なコントロール」ではなく、「緩やかなガイダンス」にとどめられている。通常、美術家は自らのイメージする作品像を実現するように作品を創作する。細部にまでこだわり、納得が行くまで試行錯誤を繰り返す。自らの作品の表現に対して「厳密なコントロール」をして創作する。

他方で、スカノストーの一次創作は、公式設定という概念枠組みであり、個別の表現を自らコントロールせずに、参加するクリエイターに委ねる。つまり、「緩やかなガイダンス」にとどめているのである。

そして、「緩やかなガイダンス」にとどめることで、アーティストは創作者として固定されることなく揺らぎ、同時に鑑賞者にもなる。クリエイターの二次創作によってどのようなアイドルが誕生するのか。クリエイターの解釈が共創や協力関係に発展するのか、それとも競争や軋轢を生むのか。その後何らかの広がりやコミュニティを形成するのか。それはアーティスト自身でさえも分からず、偶然性をイマジナリーアイドルの構成要素としている。

アイドルとアート、共時性と通時性

このテキストを書き進めていると、アイドルとアートの関係性についても考えさせられることになった。一般論としては、アイドルは一次的には共時性を前提とする。つまり、2次元のキャラクターであれ、生身のアイドルグループであれ、その時代の大衆に受け入れられることを目指してスタートし、長期にわたり人気を獲得、維持できれば通時性を帯びて時代を超えて愛され続ける存在になることもある。

他方で、美術史に刻まれるようなアートの場合、同時代の大衆やコミュニティに支持されることを意識する面も否定はできないが、時代を超えて作品を残すことを目指している点で、通時性を重視しているとは言ってよいだろう。極端に言えば、同時代に全く注目されなくとも、後世でアーティストの取り組みが再発見され、美術史に刻まれれば、それもひとつの目的達成のルートなのである。

アイドルをアートの文脈で生み出したらどうなるのか?イマジナリーアイドルの取り組むマクロのテーマは壮大である。

ミクロの視点で見ると、「アイドル」は多様なテーマ、例えば、アイドルとファンの関係性/創作者と鑑賞者の関係性/アイドルの成立条件や構成要素/経済活動によらない推し活/身体性からの開放/コミュニティの形成を想起させる。

このようにイマジナリーアイドルが取り組むテーマは壮大かつ多様である。そして、壮大かつ多様なテーマを浮き彫りにするのがスカノストーが生み出すズレと揺らぎであり、このプロジェクトの本質なのであろう。

                                                                              以上

二次創作の為の素材データ集(一部準備中)

・設定資料

 ・エンブレムデータ

 ・ロゴデータ

・イラストby etoie(モノクロ)

 ・イラスト by etoie(カラー) 

・イラストby すかのりょうた(モノクロ)

・イラストby すかのりょうた(カラー)

・イラストby ZAKI(モノクロ)

・イラスト by ZAKI(カラー)

・ダンス動画(準備中)

・歌詞

・楽曲(歌唱付き) 

・楽曲(カラオケver.)

Fabricator

吉河順央(アドバイザー,歌唱)mikemike(エンブレム&ロゴデザイン)LLLL(作曲)

etoie(歌唱,イラスト)すかのりょうた(イラスト)・ZAKI(イラスト)

ishikawa(楽曲ミックス)

Ayaka Isexy(振付,ダンス)けんご(ダンス)Hiromi(ダンス)

木村剛大(法的監修)今知的財産事務所(商標登録)

(順不同敬称略)